キャンプで使う道具と災害に備える道具は別に考えた方がいい理由
キャンプギアって災害時にも使えて便利だよね。
絶対に無駄にならない。
うーん。災害時にも使えるという点では間違ってないけど、キャンプで使う道具と災害に備えた道具は別に考えた方がいいかな。
そうなの?
テントやガスバーナー、クッカーにシュラフ。全部災害時に使えるのに。
ポイント
- 防災用品(バッグ)は被災時まで開くことがないものと心得る
目次
災害はいつやってくるか誰にも分からない
キャンプに行くときは予め日程を決めて持ち出す道具を選んで、足りない道具は買い足すことができます。
しかし、災害はいつ来るのか誰にも予測はできません。
防災用品はそういった予測できないことへの備えとなるため、常に災害時の持ち出し用品として置いておく必要があります。自宅から避難しなければいけない状況においては、持ち出す道具を選定する余裕がないことを前提に考えましょう。
防災用品にキャンプで使う道具を入れた場合、キャンプの度に防災用品を開いて、キャプが終われば元に戻すという作業が必要になります。
よっぽど几帳面な人でない限り、一般的には難しいことです。
想定する災害の規模を考える
災害により生活インフラ(水道・電気・ガス)が停まった場合、復旧の優先順位は、電気→水道→ガス。そして復旧に要す日数は目標として電気が6日、上水道が30日、ガスが55日とされています。
実際に復旧にかかる日数は災害の規模や地域によって異なってきますが、実際の災害では
- 東日本大震災では、電気が約3ヶ月、水道が約6ヶ月半、ガスが約2ヶ月で復旧
- 熊本地震では、電気が5日、水道が7日、ガスが15日で復旧
また、支援物資が到着するまでの期間は、約1日から4日程度と言われています。
生活インフラの復旧よりも道路の復旧が優先されるので支援物資は比較的早い段階で届きます。
生活インフラが断絶して、物流が停まっている期間を4日間と想定した準備が防災用品には求められることになります。
インフラが止まる程度で自宅から離れる必要がない状況なら防災用品(バッグ)はそのままに、復旧までの間は普段使っているキャンプ道具を使えばいいと思うよ。
防災用品として持っておきたい物
ポータブルバッテリー
連絡手段として携帯電話(スマートフォン)は必須です。省電力モードで待機させても4日間はバッテリーが持たないので充電用バッテリーは必須です。
ソーラーパネル
ポータブルバッテリーの容量によっては不要になる可能性もありますが、ポータブルバッテリーを充電する手段があると安心感があります。
シュラフ
体力を温存するためにも寝具は大事です。
水2L
健康な成人は毎日、体重1キロにつき約35 mlの水が必要とされています。
体重50キロの人は1.7リットル、60キロであれば2.1リットル、70キロでは2.4リットル、80キロなら2.8リットル。そして4日分となるとかなりの重量になります。
水が無いと3日で生命の危機に陥りますが、逆に考えると1日分の水があれば支援物資が届くまで耐えることができるとも言えます。
避難(持ち運ぶ)時のことを考えると大量に持ち歩くのは難しいので、せめて2Lは準備しましょう。
浄水器
水2Lでは本当にギリギリになるので、浄水器があると安心です。
水を持ち歩かずに浄水器だけというのはリスクが高すぎるので、あくまでも保険としての道具です。
食糧
加熱調理が不要な保存食系を最低4日分、持ち運ぶ重量に余裕があるなら1週間分を準備しましょう。
照明器具
キャンプ場でも夜間は多少の照明がつきますが、電気が止まった時の夜は本当に真っ暗になります。
ウェットティッシュ
水が止まっていると衛生面の維持が難しくなります。
簡易トイレ
災害時は水洗トイレが機能しないため、汚物をタンクに溜める簡易トイレを使うことになります。
多くの人が避難する場所ではトイレがかなり不衛生になるため、簡易トイレ(汚物の吸水シート)を使い可燃ごみとして処理をすることで感染症のリスク等を軽減できます。
衣類・タオル
ファーストエイドキット
こうしてみると普段キャンプで使っている道具はあまりないんだよね。
テントは?
ガスバーナーは?
そういう道具は被災直後、避難時の防災用品というより、いったん落ち着いた後の避難地生活で欲しい道具だよね。支援物資の中に含まれてくるだろうし、被災時に持ち出す防災用品には含めなくていいよ。