【キャンピングカー】サブバッテリーの最適解は?容量選びのヒント

キャンピングカーの心臓部ともいえる「サブバッテリー」。快適な車中泊やバンライフを送るためには欠かせない存在ですが、そのシステム構成は多くの人が悩むポイントではないでしょうか。

今回はサブバッテリー容量の考え方を、具体的な例を交えながらご紹介します。

週末レジャーがメインなら「100Ah」で十分

まず、休日の1泊2日程度の利用をメインに考えている場合のシミュレーションを見てみましょう。

<想定>

サブバッテリー容量: リン酸鉄リチウムバッテリー100Ah(1200Wh)

走行充電能力: 480W/h (40A)

この場合、約2.5時間走行することで、空の状態からバッテリーを満充電にできます。

AI画像:走行充電

普段は通勤などで車を使い、週末にレジャーへ出かけるというスタイルなら、日常の運転でサブバッテリーは自然と充電されていきます。

キャンピングカーを日常使いしない場合は自宅で外部充電することになると思います。

そして、お出かけの朝には満タンの状態でスタートできるというわけです。

では、実際に1泊2日でどれくらいの電力を消費するのでしょうか?

普段家庭で消費している電気量は1日6000Wほどと言われています。

自宅での生活と同じ電気量をキャンピングk-で使おうとすると500Ah以上のバッテリーが必要になります。

導入費用や設置スペースなどを考えると中々ハードルが高いと言わざるを得ないのではないでしょうか?

私の場合、バッテリーは100Ahで、夏場は夕食・朝食の調理でIHクッキングヒーターを使い、炊飯と簡単な炒め物(1回あたり約40分 × 2回)。冷蔵庫は常にONの状態です。

冬場は電気毛布を使うのでIHクッキングヒーターは使わずにガス調理に切り替えます。

このような使い方であれば、翌朝のバッテリー残量は20%ほどで、十分に1泊2日の旅を楽しめます。

AI画像:バッテリー残量

基本的に電気は照明用と考えて、余力のある範囲で電気器具を使うようにしています。

電気が無いと不便であることは間違いありませんが、無くてもレジャーで1泊過ごすことに支障はありません。

この辺りはキャンプをメインで楽しんでいる私の考え方であって、キャンピングカーで生活をするバンライフ等を想定している人とは考え方が違ってくると思います。

「2泊以上の連泊」で浮上する充電問題

100Ahのバッテリーで2泊以上の旅に出るとなると、少し課題が見えてきます。

初日でバッテリーをほとんど使い切ってしまった場合、翌日も不自由なく電気を使うためには、充電のために2.5時間、車を走らせる必要があります。

これをどう考えるか。

「次の目的地への移動で2.5時間以上走るから問題ない」という方もいれば、「連泊地でのんびりしたいのに、充電のためだけにアイドリングするのはちょっと…」と感じる方もいるでしょう。

環境への配慮や、場所によってはマナーの問題も気になるところです。

大容量バッテリーの落とし穴

「それなら、いっそのこと大容量のバッテリーを積めば解決じゃない?」

確かに、200Ahや300Ahのバッテリーを自宅でしっかり充電していけば、2日目も贅沢に電気を使えます。

では3日目は?

どんなに大容量のバッテリーでも、充電が出来なければ旅の途中で電気は使えなくなります。

ここから言えるのは、2泊以上の連泊や長期旅では、バッテリーの絶対的な容量よりも、「充電能力」と「消費電力を抑える工夫」の方が重要になるということです。

長期旅も視野に入れるなら「200Ah」が現実的な選択肢

では、休日レジャーも長期旅もバランス良く楽しみたい場合、どのくらいの容量が妥当なのでしょうか。

結論としては「200Ah」が一つの目安になります。

その理由は、長期旅における1日の平均的な移動時間にあります。同じ場所に何日も滞在しない限り、1日の移動時間は2時間程度になることが多いのではないでしょうか。

2時間の走行充電で回復できる電力量: 約960W (480W/h × 2h)

つまり、1日の移動で80Ah程度を回復できる計算になります。

1日の基本的な消費電力を1200W(100Ah)以内とすることで、移動を全くせず連泊する日などに備えた予備電力として100Ahを確保できます。

サブバッテリーの容量を300~400Ahとして、宿泊先にRVパークや電源付きのオートキャンプ場の利用(外部電源で充電)という選択肢もありますが、外部電源の利用を想定すると結局のところ大容量のサブバッテリーは必要ないのでは?という話になってきます。

補助として優秀なソーラーパネル

走行充電に加えてソーラーパネルの活用も考えましょう。

キャンピングカーに200Wのソーラーパネルを設置することで、天候が良ければ1日で400W〜600Wほどの発電が期待できます。

走行充電と合わせれば、1日で150Ah近くの電力を充電することも可能です。

AI画像:ソーラーパネル

充電システムの強化

さて、ここまで走行充電器(40A)とソーラーパネル(200W)を前提とした話をしていますが、充電システムの性能を上げればもっと電気が使えるじゃないか。という意見があるかと思います。

そのとおりです。

60Aの走行充電器(720W/h)もありますし、ソーラーパネルも400W~600Wぐらいまで設置できるかと思います。

補足

走行充電の能力は、車のエンジンについている「オルタネーター(発電機)」の性能に依存します。

高性能な60Aの充電器もありますが、その性能をフルに引き出すには、車のオルタネーターにも相応の能力が求められます。高性能な走行充電器を導入する際は、ご自身の車のオルタネーター性能も確認しておく必要があります。

このように電気設備の性能を上げることで、1日の移動時間を2時間とした場合の発電量は2200W(185Ah)ほどになります。

この場合、サブバッテリーの容量は300~400Ahあたりが妥当だと思います。

まとめ

サブバッテリー選びに「絶対の正解」はありません。しかし、一つの重要な指標が見えてきたのではないでしょうか。

電源サイトなどを利用せず、自給自足で旅をする場合、1日に使える電気の量は「その日に充電できる量」に制限されるということです。

走行充電とソーラーパネルを組み合わせることで、1日に約150Ah充電できるとすれば、それが1日に使える電力の上限になります。

充電能力(走行充電+ソーラー)を把握し、その範囲で消費電力を管理する。

この視点を持つことで、旅のスタイルに合ったサブバッテリーシステムが見えてくるはずです。

ぜひ、ご自身の使い方を想像しながら、快適なキャンピングカーライフの計画を立ててみてください。

Tsuyoshi

1978年生れ 20年間仕事に追われて、「趣味は?」って言われると「仕事」としか答えられず、転職を機に趣味探し中。 座右の銘「怠惰求めて勤勉にいきつく」 好きな言葉「トレードオフ」

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